内定?ゲット??
本日京セラの孫会社(コンサルティング会社)の二次面接に行ってきました。
おそらくここで落とされるだろう。そう考えて臨みました。
なぜなら爆弾を落としに行ったからです。
「京セラの創業者である稲盛和夫さんの本を読んできてください。感想など聞かれると思うので。」
人事担当者の方にそう言われ、この孫会社の商品である「アメーバ経営」についての本を読みました。
このアメーバ経営というのは、まー簡単に言うと会社をいくつもの組織(アメーバと呼びます)に分け、その中で独立した経営を行い、社員の自立と経営者意識を芽生えさせるという経営手法で、稲盛さんのオリジナルだそうです。
社員の自立は、企業・個人ともに生き生きとしたものにさせられるので、それを世に広めるのはやりがいがあるなーと感じてたのですが。
が。
図書館でこんな本見つけました。
「京セラ悪の経営術」
京セラに転職し、やめてったひとが、京セラ(というか稲盛さん)の悪口をめっちゃ書いている本です。
「そんな立派な経営手法の会社からそんな話が出てくるのは何でだ?」と疑問に思い、この本も借りて読むことに。
2冊の本を読み比べると、なぜそんな悪口本が出てくるのか分かりました。
さて、「感想」とやらをどうしよう。
考えた結果、2冊の本の要点を比較することでアメーバ経営の問題点を指摘し、まとめとして、
「僕は稲盛さんの話は大好きだし、アメーバ経営自体も素晴らしい。だけども稲盛さんのこういう点は矛盾しているし、アメーバ経営自体ももっと付加的な仕組みづくりが必要だ」
という内容のことを述べようと決めました。
これははっきりと創業者批判であり、悪口本に書かれていること、すなわち稲盛さんが京セラ内で神格化されていることが本当なら、確実に落とされます。
でも、自分は、自分の会社が世の害になることをやるのは絶対耐えられない。この悪口本の著者のような人が出るようではとてもやってられない。
だから、本音でぶつかろうと心に決めました。
いざ面接です。
特に本の感想を聞かれることもなく進みます。
10分くらい簡単な質疑をやった後、唐突に、かなり上役っぽい人から
「君、うちにはもったいないよ」
・・・はい?
「もっと大きなこと出来るとこ受けた方が良い。ここじゃあ君は退屈する」
さらに
「どっこも通らなかったら声かけておいで。そのときは採用してあげるから」
・・・なんですかそれ。
前回面接のときもだいぶ担当の方から高評価をもらっていたのですが、それにしてもまさかの展開です。
形式上は、選考はいったん中断。5月までに僕の方から電話入れたら再開する、ということになりました。
結局、用意した爆弾を投げることもなく、うれしいやら拍子抜けやらで帰ってきました。
優秀な人ならぜひとも欲しいと思うのが普通の会社だと思います。
このように言われる時点で、その通り他の会社に行った方が良いんでしょう。
でも、この会社での一連の面接は本当に自信になりました。
これで今後の就活は気持ち的に楽になります。
この日、この時間は狐の嫁入り。
晴れ渡った空からパラパラと雨が落ちてきます。
仏陀の誕生のときも、天は祝福の雨を降らせたといいますし、きっとこれは僕を祝福してくれているのでしょう。
そんな春の初めの寒い一日。